聖書の訳の違いについて[口語訳/新共同訳/文語訳/新改訳etc]
聖書には様々な訳が存在します。
口語訳、新共同訳、文語訳、新改訳などが日本では有名だと思います。
今回はこれらの訳の違いと、どの訳を選べば良いのかについてお話します。
世界一のベストセラー「聖書」
もともと旧約聖書はヘブライ語で、新約聖書はギリシャ語で書かれていました。
それが英語やドイツ語、日本語など世界各国の種々の言語に翻訳されています。
現在では2479もの言語に翻訳されており、アイヌ語にも訳されているくらいです。
ここまで多くの言語に翻訳された書物は聖書以外には存在しないでしょう。
この事実がまさに聖書の素晴らしさを物語っていると言えます。
世界一のベストセラーは伊達ではありません。
さて、それではそれぞれの訳の違いについて簡単にご説明します。
(聖書翻訳の歴史が分かりやすいように発行時系列で紹介しています。)
文語訳
文語調の美しい文章が特徴的で、愛読者が多い名訳。
1887年に旧約が、1917年に改訳新約が、そして新約は1982年にさらに改訳されて新組版が発行される。
日本聖書協会発行。
詳しくはこちら↓(聖書翻訳の歴史|日本聖書協会HPより)
http://www.bible.or.jp/know/know20.html
私も文語訳を持っていますが、美しく味のある文章は虜になります。
口語訳
戦後の現代仮名遣いに対応するため、日本人によって初めて完訳された聖書。
各種文学作品にも引用され、慣れ親しんだ人は多い。
1954年に新約が、1955年に旧約が発行される。
日本聖書協会発行。
詳しくはこちら↓(聖書翻訳の歴史|日本聖書協会HPより)
http://www.bible.or.jp/know/know20.html
ちなみに私の教会では口語訳を使っています。
新改訳
原語に忠実に訳出しているとされている。文語訳の改訳に対する敬意から新改訳という名前が付けられた。
1970年発行。
日本聖書刊行会発行。
詳しくはこちら↓(聖書翻訳の理念|新日本聖書刊行会HPより)
新共同訳
それぞれ違う訳を用いていたカトリックとプロテスタントが共同して翻訳に取り組む動きが世界各国でなされ、日本でも1978年に共同訳が発行された。しかし、共同訳聖書は翻訳が意訳すぎるなどの理由で評判が良くなかったため、新たに翻訳されたのが新共同訳。
1987年に発行される。
日本聖書協会発行。
詳しくはこちら↓(聖書翻訳の歴史|日本聖書協会HPより)
http://www.bible.or.jp/know/know21.html
どの聖書を選べば良いのか
多くの人に聖書を紹介してきましたが、どの訳を選べば良いのかという質問をされることが多くあります。
結論としては自分の好きな訳を選べば良いと思います。私の場合は基本的には口語訳ですが、たまに文語訳も読みます。
また、もし教会に通おうとされるのならその教会で使っている訳を選ばれるのが良いでしょう。
最後に。。。
たまに旧約聖書と新約聖書を、「古い翻訳」と「新しい翻訳」のことだと思っていらっしゃる方がいらっしゃいます。
旧約聖書と新約聖書の<約>は約束の<約>ですので、お間違いなきよう。
訳に違いがあるのは知ってましたが、訳し方や背景までは知りませんでした!
参考になりました!
解説ありがとうございます!
私は時々、英語の聖書も参照しています。難しい言い回しの箇所が、英語だとすっきり理解できるときもあります。
改めて整理してくださり、とても勉強になりました。
普段読んでいる訳以外のものも、手にとってみたくなりました(*^^*)