ヤコブと天使のはしご
みなさんはこのような自然現象を見たことはありますか。
太陽が雲に覆われて、雲の隙間から光が放射状に地上に降り注いで見えるこの現象、学術的には薄明光線(はくめいこうせん、crepuscular rays)と言います。
一般的には天使の梯子(はしご)と言われます。
さてこの天使の梯子という名前、実は旧約聖書からきているんです。
:12)時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。
信仰の父、信仰の先祖とも言われるアブラハム。そのアブラハムの孫ヤコブ。
そのヤコブがカナン(ベエルシバ)からハナンへと向かう途中、ルズという町である夢を見ました。
夢では地上から天に達する一つのはしごがあり、その梯子を天使たちが上り下りしていました。
ヤコブはこの夢を見た後、神様に対する畏敬の念からその場所をベテル(神の家という意味)と名づけました。
※神(エル)の家(ベート)
口語訳聖書ではこの部分はこのように表現されています。
:17)そして彼は恐れて言った、「これはなんという恐るべき所だろう。これは神の家である。これは天の門だ」。
ここでは「おそれる」という言葉が恐れるという漢字が使用されていますが、文語訳聖書ではこのように書かれています。
※口語訳聖書と文語訳聖書の違いについてはこちら。
創世記28章17節
乃ち惶懼ていひけるは畏るべき哉此處是即ち神の殿の外ならず是天の門なり
文語訳聖書では畏れるとなっているのです。
たまに誤解されている方もいるのですが、ヤコブは神様の存在に恐怖したわけではなく神という絶対的な存在に触れて畏敬の念を抱いたのでした。
まさにヤコブの神様の出会いだと言えると思います。
ヤコブの人生についてはいつか書きたいと思っています。
最後に創世記28章のヤコブの旅立ちからベエルでの神様の出会いの部分をどうぞ。
:10)さてヤコブはベエルシバを立って、ハランへ向かったが、
:11)一つの所に着いた時、日が暮れたので、そこに一夜を過ごし、その所の石を取ってまくらとし、そこに伏して寝た。
:12)時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。
:13)そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。
:14)あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。
:15)わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。
:16)ヤコブは眠りからさめて言った、「まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった」。
:17)そして彼は恐れて言った、「これはなんという恐るべき所だろう。これは神の家である。これは天の門だ」。
:18)ヤコブは朝はやく起きて、まくらとしていた石を取り、それを立てて柱とし、その頂に油を注いで、
:19)その所の名をベテルと名づけた。その町の名は初めはルズといった。
:20)ヤコブは誓いを立てて言った、「神がわたしと共にいまし、わたしの行くこの道でわたしを守り、食べるパンと着る着物を賜い、
:21)安らかに父の家に帰らせてくださるなら、主をわたしの神といたしましょう。
:22)またわたしが柱に立てたこの石を神の家といたしましょう。そしてあなたがくださるすべての物の十分の一を、わたしは必ずあなたにささげます」。
Leave a comment